*01|誕生日の朝
[cm]
[laycount layers=5 messages=6]
[mes]
[delay speed="30"]
[bgmopt volume="70"]
いつもと同じ日常は今日という『特別な日』には訪れるわけがない。[c]
*01|誕生日の朝
[bgm m="0012日常" l="true"]
[始まりの朝]
[lack_name]
「えへへ~」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
この嫌と言うほどにへばり付いて離れないヤツがいる限り。[c]
*01|誕生日の朝
だがしかし、今日はどれだけ変な事をされようとも我慢しなければならない。[c]
*01|誕生日の朝
いつの間にか成り立ってしまったルールに俺は溜め息を吐く他ない。[c]
*01|誕生日の朝
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか更に俺にへばり付いて顔を擦り寄せてくる。[c]
*01|誕生日の朝
そして勢い任せに俺の唇を塞ぐ。[l][r]
まだ朝だというのにこの行為は既に十回を軽く越していた。[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
「らぁ~いぃ~とぅ~」[c]
*01|誕生日の朝
[light_name]
「何で最後だけ発音が変になってる」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
そんな俺のツッコミはこいつのよくわからない間の抜けた笑いに一蹴される。[c]
*01|誕生日の朝
確かに今日という日は俺にとってもめでたい。[c]
*01|誕生日の朝
出来ることなら一緒に笑顔で過ごしたいのだが、[l][r]
如何せんラックの野郎が過剰過ぎるから俺が着いていけなくなってしまっている。[c]
*01|誕生日の朝
[リビング_朝_fade]
[二人]
[light_name]
「んで、今日の予定は決まったか?」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
聞くと、虚空を見つめ思い出すように誰に言うでもなく言葉を紡いでいく。[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
「えっと~……取り敢えず朝はずっとこうしてるじゃん?」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
[立ち絵 file="raito呆"]
午前中全てこれなのか?[l][r]
まだ九時だぞ、あと三時間はこうしてずっとラックにへばり付かれていなきゃいけないのか?[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
「お昼は~……どっか食べに行こっか?[l] お好み焼きとかいいなぁ」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
[立ち絵 file="raito驚"]
ちょっ、昼からお好み焼きかよ?[l][r]
胃もたれとかそういう単語は……無さそうだな。[c]
*01|誕生日の朝
見かけ通り食う量がハンパない事を思い出し、諦める。[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
「その後は、映画観に行こ?[l] [立ち絵 file="rakku喜" lay="1"] わぁ、何かカップルっぽいね!」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
[立ち絵 file="raito呆"]
自分で言って照れまくる始末。[l][r]
とても楽しそうである。[c]
*01|誕生日の朝
[立ち絵 file="raito通常"]
まぁでも、映画は確かに良いかもしれない。[l][r]
落ち着けて嫌いじゃない。[c]
*01|誕生日の朝
ひとしきり恥ずかしがると、また虚空を見つめて思いを巡らせている。[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
[立ち絵 "rakku通常" lay="1"]
「終わったらね、多分四時頃だよね。[l][r]
それだったらカラオケとか行く?」[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
「二人で行く事って[delay speed="500"]……[delay speed="30"]っていうか最近カラオケ自体全く行ってなくない!?[l] これは行くっきゃないね!」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
[立ち絵 file="raito通常"]
自己完結ですか。[l][r]
思い返してみれば、たぶん二人で行ったのは半年以上前だと思う。[c]
*01|誕生日の朝
だって俺カラオケ好きじゃないし。[l][r]
ラックが歌っている分には構わない。[l][r]
歌上手いしこっちとしても聞いていて心地良いものだ。[c]
*01|誕生日の朝
でも俺が歌うのは嫌だ。[l][r]
ラックは結構上手いと言ってくれているが、それ以前に自分の声が聞こえるのが嫌だ。[c]
*01|誕生日の朝
俺にとってあれはストレスの解消にはならない。[l][r]
確実に。[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
「あ、あれでしょ?[l][r]
それならゲーセン行った方がストレスの解消になるとか思ってるでしょ?」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
流石、付き合って三年。[l][r]
よく俺の性格を理解してますね……。[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
「ゲーマーだよね、ライトは。[l][r]
俺ゲーセンでやるなんて考えられないもん。[l][r]
お金勿体無いし」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
俺が黙っていることを肯定と解釈し、話を進める。[l][r]
特に俺も反論はしない。[c]
*01|誕生日の朝
確かに俺と一緒にゲーセンへ行くとラックはいつも隣で見ているだけだ。[c]
*01|誕生日の朝
プレイしている間隣から「うわっ!」とか「危なっ!」とか聞こえるから多分それなりに楽しんでいるんじゃないかと思う。[c]
*01|誕生日の朝
現にラックは俺がゲーセンでゲームをする時嫌な顔一つ見せない。[l][r]
むしろやらないのかと聞いてくるくらいだ。[c]
*01|誕生日の朝
今思うと非常に優しい心の持ち主なのかもしれない。[l][r]
ただの俺の思い過ごしかもしれないが、どのみち有り難い事である。[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
「まぁ、今日はカラオケね!」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
今日はラックに逆らえないので、その言葉にただ黙って頷いた。[l][r]
元より逆らうつもりなどないが。[c]
*01|誕生日の朝
[lack_name]
「その後は真っ直ぐ帰って夕飯かな?[l][r]
その為に帰りに食材買わなきゃね。[l][r]
久々にライトの手作り食べたいなぁ~」[c]
*01|誕生日の朝
[nameout]
溜め息を吐いて頷く。[lr]
軽く頭を撫でると甘えるように頭を預けてきた。[c]
*01|誕生日の朝
結局はこいつには勝てないのかもしれない。[l][r]
俺が甘いのか、はたまたこいつの魔力なのか……。[c]
*01|誕生日の朝
[jump storage="02.ks"]
*02|お出かけ
;[laycount layers=5 messages=6]
[fadeoutbgm time="3000"]
[bgm m="0033日常" l="true"]
[ChangeCase bg="hankagai" lfg="rakku通常" rfg="raito通常"]
[mes]
そんなこんなで正午に俺達は家を出た。[c]
*02|お出かけ
昼まで一体何があったのかは……察して欲しい。[l][r]
一日の半分ほどの体力は既に使った気がする。[c]
*02|お出かけ
いや、体力という言葉は少し語弊があるか。[l][r]
[立ち絵 file=raito呆]
主に消費したのは精神力だな……。[c]
*02|お出かけ
精神力が削られたせいか、思考がどうもネガティブな方向に行きやすくなってしまっている。[c]
*02|お出かけ
[立ち絵 file=raito通常]
気を取り直そう。[l][r]
今日は、特別な日なのだから。[c]
*02|お出かけ
[lack_name]
「ライト? そろそろ着くよ?」[c]
*02|お出かけ
[nameout]
[立ち絵 file=raito驚]
そう声をかけられて、ハッと顔を上げる。[l][r]
また自分の世界に入ってしまったようだ。[c]
*02|お出かけ
頭をブンブンと音が立ちそうなほどの勢いで振り、今までの憂鬱な気分をすべて吹き飛ばした。[c]
*02|お出かけ
[立ち絵 file=raito通常]
降りるとすぐに人ごみに流され、その流れに合わせて俺達も足を動かす。[c]
*02|お出かけ
余談だが、俺達の家の付近にはレストランは何件かあるものの、カラオケや映画館、ましてやお好み焼き屋などあるはずがない程過疎化している。[c]
*02|お出かけ
駅前も同様な為、俺達は電車に乗って三駅行ったところにあるそれなりに発展した駅へとやってきた。[c]
*02|お出かけ
駅を出るなりラックは先導するように歩きだす。[c]
*02|お出かけ
[lack_name]
「こっちにね、おいしいお好み焼き屋さんがあるんだ。[l][r]
お昼からやってて、意外に人気なんだよね~。[l][r]
[立ち絵 file=rakku楽 lay=1]
店員さんがいい人でさ~……」[c]
*02|お出かけ
[light_name]
[立ち絵 file=raito呆]
(こいつ……既に何回か行っているな……。[l][r]
行ったことないぞ、俺。)[c]
*02|お出かけ
[nameout]
[lack_name]
「あ! [l]大丈夫だよ、浮気とかじゃないから![l][r]
大学の人でね、よく一緒に食べ歩きしたりするんだ。[l][r]
今から行くお好み焼屋さんもその人が教えてくれたんだよ」[c]
*02|お出かけ
[nameout]
どうやら不審がっているのに気づいたらしく、ラックは簡単に説明する。[c]
*02|お出かけ
焦ったりしないらへん、もしかしたら俺がそうやって疑うのわかっててやってるのかもしれない。[c]
*02|お出かけ
考えたくないが、こいつならやりかねないのが困ったものだ。[c]
*02|お出かけ
[立ち絵 file=rakku挑発 lay=1]
心なしかニヤニヤしているような気がする。[c]
*02|お出かけ
あー、その顔凄くウザいですよ、ラックさん。[c]
*02|お出かけ
[立ち絵 raito通常]
そうこうしている間に、目的のお好み焼き屋に到着。[c]
*02|お出かけ
中を覗くとラックの言った通り、昼にもかかわらず中は結構賑わっている。[c]
*02|お出かけ
こいつら全員ラックの類だな。[l][r]
などと勝手に偏見を塗りたくって俺達はその暖簾を潜った。[c]
*02|お出かけ
[bg bgi=okonomiyaki]
[light_name]
[立ち絵 file=raito驚]
「うっ!?」[c]
*02|お出かけ
[nameout]
中の胃のもたれそうな匂いに早くも俺はギブアップしそうになるが、口で息することで何とか堪える。[c]
*02|お出かけ
[lack_name]
「美味そうな匂いでしょ~。[l][r]
[立ち絵 file="rakku喜" lay="1"] 俺もうお腹減っちゃったよぉ」[c]
*02|お出かけ
[nameout]
[立ち絵 file="raito呆"]
あぁ……流石と言うべきか、ラックの腹や胃にとって時間帯という物は関係のない物らしい。[l][r]
ある意味羨ましく思う。[c]
*02|お出かけ
メニューを見るもやはり軽そうな食べ物はないようで、腹をくくるしかないことを悟る。[c]
*02|お出かけ
[立ち絵 file=rakku通常 lay=1]
[lack_name]
「ライト何食べたい?[l][r]
俺は豚玉頼もうと思うんだけど」[c]
*02|お出かけ
[nameout]
[立ち絵 file=raito通常]
ラックに選ばせようとも思ったが、下手をすればさらに重そうなものを頼まれてしまいそうなので、メニューの中でも出来る限り軽そうな物を選ぶべきだろう。[c]
*02|お出かけ
[light_name]
「……じゃあ、シーフードで」[c]
*02|お出かけ
[nameout]
これは……軽いのだろうか。[l][r]
最早それすらもわからないまま何となくで頼んでいる始末。[c]
*02|お出かけ
[lack_name]
「ほかにも何か頼んでいい?[l] 俺たぶん足りないと思う……」[c]
*02|お出かけ
[nameout]
[立ち絵 file=raito呆]
[light_name]
「ですよね……」[c]
*02|お出かけ
[nameout]
本当にラックの胃袋には驚かされる。[c]
*02|お出かけ
結局、三玉頼んだのだが俺は一玉の半分程でギブアップ。[l][r]
食べていいと言ったその数分後には鉄板の上は綺麗になっていた。[c]
*02|お出かけ
もう驚かない。[l][r]
呆れてはいるが。[c]
*02|お出かけ
[立ち絵 file=raito通常]
三玉と飲み物込みで結局は三千円くらいだが、想定の範疇だ。[l][r]
寧ろもう少しかかることを覚悟して今回は財布の中を温かくしている。[c]
*02|お出かけ
まぁ、まだ一日は長い。[c]
*02|お出かけ
[jump storage="03.ks"]
*03|映画館
[fadeoutbgm time="3000"]
[fadeinbgm storage="日時計の丘" loop="true"]
[ChangeCase bg="eigakan" lfg="rakku通常" rfg="raito通常"]
[mes]
次は映画。[l][r]
ラックが好きなものと言えばコメディか恋愛モノだろう。[c]
*03|映画館
アクションも好きかもしれないがホラーやサスペンスなどはきっと無理だろう。[c]
*03|映画館
[light_name]
「あ、あれバイオハーー」[c]
*03|映画館
[立ち絵 file="rakku怒" lay="1"]
[lack_name]
「グルル……」[c]
*03|映画館
[nameout]
[立ち絵 file="raito驚"]
唸られた![l][r]
冗談で言ったのだがまさかそこまでされるとは思わなかった。[c]
*03|映画館
[立ち絵 file="raito通常"]
そう言えば以前血が出るのでさえ正直キツいと言っていた気がする。[c]
*03|映画館
血だけではない。基本的に誰かが無駄にたくさん死ぬような映画をラックは、あまり見たくないらしい。[c]
*03|映画館
だからこそラックにそう言った類は強制的に見せたり、誘ったりはあまりしない。[c]
*03|映画館
見たかったら俺一人で見ればいいのでいつもラックに一言言って他の友達を誘ったり、一人で行ったりしている。[c]
*03|映画館
……なのにあいつは俺の知らないところで食べ歩き友達見つけて食事していたとは……。[c]
*03|映画館
俺が逆に気にしすぎなのだろうか。[c]
*03|映画館
二人きりで行くなら勘違いしてほしくないと思って言っているのだが、あまりそういう心配をラックはしていないのかもしれない。[c]
*03|映画館
まぁ、考えるのはよそう。[l][r]
今の状態で特に喧嘩などしていないのだからそれで良いと思い直すことにした。[c]
*03|映画館
[立ち絵 file=raito呆]
俺が嫉妬深いだけかもしれないけどな……。[c]
*03|映画館
[立ち絵 file="rakku通常" lay="1"]
[lack_name]
「これが観たかったんだけど、いいかな?」[c]
*03|映画館
[nameout]
[立ち絵 file=raito通常]
ラックが遠慮がちに訊いてくる。[l][r]
きっと俺が先程他のを指差したから気が引けているだろう。[c]
*03|映画館
[立ち絵 file=raito楽]
気にしなくていいという意味を込めて笑って頭を撫でてやると[立ち絵 file="rakku楽" lay="1"]少し紅くなりながらチケットを買いに行ってしまった。[c]
*03|映画館
きっとラックが買いに行くのはあと二十分ほどで始まる回だろうから今のうちに飲み物や食べ物を買うべく俺も売店の列へと加わる。[c]
*03|映画館
暫くしてラックがこっちに気づき、来るなりチケットが取れたことを報せてくれた。[l][r]
どうやらこの先読みは無駄にはならなかったようだ。[c]
*03|映画館
[立ち絵 file=raito通常]
適当に買ってお互い片手に飲み物、もう一方にお菓子又は食べ物を持って劇場内へと入る。[c]
*03|映画館
[bg bgi=eigakan2]
丁度これから始まる映画の予告などが流れているところで出来るだけ他の人の邪魔にならないようそそくさと席に着く。[c]
*03|映画館
因みに俺達が見ようとしているのは結構有名な恋愛映画。[l][r]
公開し始めてからもう随分と経つのだがそれでもまだ公開しているのは、その有名さと人気さ故だろう。[c]
*03|映画館
[立ち絵 file=rakku通常 lay="1"]
映画も始まり皆が画面に夢中になる。[l][r]
俺もラックもその中の一人だが、俺は頭の端で今違うことと葛藤していた。[c]
*03|映画館
ラックが時々俺の手を握ろうとし、寸でのところでその手を自分の膝に戻すという行為を繰り返してるのだ。[c]
*03|映画館
にも関わらず顔を見ればその顔は真剣に画面を見つめ、心なしか今にも泣きそうだ。[c]
*03|映画館
なのに手はその行為を繰り返し、さまよっている。[l][r]
無意識なのだろうか……というか無意識で葛藤ってどんだけ器用なんだ。[c]
*03|映画館
[立ち絵 file="raito照"]
そういう俺もその手を握ってやろうか非常に迷っていた。[l][r]
握ってもきっと他の人に見えることはないのだろうけど、それでも理性と羞恥心がその行動を抑制する。[c]
*03|映画館
[立ち絵 file="raito呆"]
結局、実行に移せぬまま時は過ぎていってしまう。[l][r]
自らの小心さに落胆してしまった。[c]
*03|映画館
しかしクライマックスになるにつれ、そんな事を考えている思考さえも忘れる程にその映画に夢中になっていた。[c]
*03|映画館
流石は映画と言うべきか、世界に引き込まれて俺は虜となっている。[c]
*03|映画館
[一枚絵 image="2"]
そしてエンディング。[l][r]
集中していた為か、疲労の息を吐き、そして自然と握られていた手に驚いた。[c]
*03|映画館
お互いの汗が浸透し、触れている部分が少し濡れている。[c]
*03|映画館
それだけ長時間握っていたということだろうか。[l][r]
……正直、全く気付かなかった。[c]
*03|映画館
映画というのは、恐ろしいものだ。[l][r]
前半でのあの葛藤はなんだったのかと逆に聞きたくなってしまう。[c]
*03|映画館
ものすごく恥ずかしい。[l][r]
恥ずかしいのだが、それでもこのままでいたかった。[c]
*03|映画館
あったかいなぁ……。[c]
*03|映画館
などと考えている自分もどこかにいて、スタッフロールが流れ終わるまではこのままでいたいと思った。[c]
*03|映画館
ここにきてラックも漸く気づいたようで、握られている手に素直に驚いていた。[c]
*03|映画館
……俺、あんまこういう事しないからな。[l][r]
なんだか少し申し訳なく思う。[c]
*03|映画館
眼が合い、俺が曖昧に笑ってみせると、嬉しそうに笑って握り返してきた。[c]
*03|映画館
ラックのこの照れ隠しをせずに、素直に嬉しいことを嬉しいと、体全体で表すこの無邪気な行動に俺は弱いようだ。[c]
*03|映画館
胸が締め付けられるような、言葉とは裏腹なこの甘い感触が俺の体を浸食していく。[c]
*03|映画館
通じているかは分からないけど、これを『胸キュン』というのだろう。[c]
*03|映画館
恥ずかしいからその言葉を絶対に使いたくないけどな![c]
*03|映画館
激しい鼓動の音が、体を震わせているのが、なおのこと恥ずかしさに拍車をかける。[c]
*03|映画館
一瞬のようにも、数時間のようにも感じるエンドロールが終了し、館内が明るくなる。[c]
*03|映画館
バッという音が出そうな勢いで手を離してしまい、ちょっと罪悪感を抱いてラックを見るととても嬉しそうな顔を俺に向けていた。[c]
*03|映画館
とりあえず安堵。[c]
*03|映画館
[lack_name]
「外、出よっか」[c]
*03|映画館
[nameout]
恥ずかしさから立てない俺の手を引きながら、何とか映画館を後にした。[c]
*03|映画館
三年目なのにこの不慣れな感じがなんとも情けなかった。[c]
*03|映画館
[jump storage="04.ks"]
*05|帰り道
[fadeoutbgm time="3000"]
[fadeinbgm storage="メニューor帰り道" loop="true"]
[ChangeCase bg="hankagaiyuugata" lfg="rakku通常" rfg="raito通常"]
[mes]
料金を払い、店を出ると駅前にあるスーパーで少しばかり夕飯を調達する。[l][r]
と言っても大体の物は家にあるので、本当に少しだけ。[c]
*05|帰り道
鶏肉は既に朝のうちに冷凍庫から取り出して台所に放置してある。[l][r]
あとは添え物の野菜などを少し買えばいいだろう。[c]
*05|帰り道
ラックは周囲をキョロキョロとして張り切った風に物の値段を確認していく。[c]
*05|帰り道
スーパーなどの買い物は俺一人ではあまり行かず、俺はその作業をラックのちょっとした豆知識と共に受け入れていくのみ。[c]
*05|帰り道
完璧に主夫ですね、ラックさん。[l][r]
少しでも多く吸収するためにこういう話は聞き逃さないよう常に心掛けている。[c]
*05|帰り道
何が時期的に安いのか、どれとどれが組み合わせ的においしいのかなど詳しく話してくれるので、為になるし面白い。[c]
*05|帰り道
そういうのに興味がなく、疎くなっている自分の少しでも糧になるように。[l][r]
ラックの負担を少しでも和らげられるように。[c]
*05|帰り道
そう思っていても、ラック自身とのスキルの差がかなりあるので、追いつくのにどのくらいかかるのか……。[c]
*05|帰り道
俺がゲームにスキルを極振りしている間、ラックは現実で役に立つスキルを身につけていたのだろう。[c]
*05|帰り道
なんかちょっとゲームっぽく例えるらへん、自分自身のゲーム脳に少し呆れてしまう。[c]
*05|帰り道
少し反省。[l][r]
……今日の俺、反省してばかりだな。[c]
*05|帰り道
買う物が全て決まり、レジで会計を済ませるとそのまま帰路についた。[c]
*05|帰り道
[bg bgi=kaerimiti]
帰り道、こうして二人で歩くのがどれだけ心満たされることか、唐突だが改めて認識した。[c]
*05|帰り道
ただ単に隣を歩き、他愛のない会話をしているだけなのに、何故だか愛しさを感じるのだ。[c]
*05|帰り道
すぐ横に居るだけでラックの体温を感じているような、そんな錯覚すら覚えてくる。[c]
*05|帰り道
ただ笑っているその横顔さえ、何か大切なものに感じる。[l][r]
ラックも同じように感じてくれているだろうかと、少し女々しい事を思ってしまう始末。[c]
*05|帰り道
情けなくなり、考えを振り切るように頭を振ると、ラックが不思議そうに首を傾げた。[c]
*05|帰り道
[lack_name]
「……どうしたの?」[c]
*05|帰り道
[nameout]
[立ち絵 file=raito照]
[light_name]
「いや、何でもない……」[c]
*05|帰り道
[nameout]
[立ち絵 file=rakku挑発 lay=1]
[lack_name]
「はは~ん」[c]
*05|帰り道
[nameout]
[light_name]
「……なんだよ?」[c]
*05|帰り道
[nameout]
意味ありげに笑ってみせるラックにムッとしていると、不意にラックが手を差し出してきた。[c]
*05|帰り道
[一枚絵 image=3]
[lack_name]
「はい。あと少ししか繋げないだろうけど、偶には……ね」[c]
*05|帰り道
[nameout]
少し照れくさそうにそう言うと、呆然としている俺の手を取って歩き出した。[c]
*05|帰り道
地味に俺の考えていることはラックに伝わっているようで、これがラックの答えであり誠意であるようだ。[c]
*05|帰り道
気恥ずかしいが、今回は……今日はその好意に甘えることにする。[c]
*05|帰り道
しきりに周りを気にする俺とは対称に悠然と歩くラックの神経の図太さに驚嘆と呆れを抱きつつ、手を繋いでいる事実に言い知れない充実感と羞恥心にも似た熱さを感じていた。[c]
*05|帰り道
ガラにもなく心臓をバクバクと音を立てながら挙動不審になっている俺にラックはニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべながら楽しそうに歩いている。[c]
*05|帰り道
[lack_name]
「ライト、顔真っ赤になっててかわいー!」[c]
*05|帰り道
[nameout]
[light_name]
「う、うるさいなぁ![l][r]
そりゃ外で手繋いだら恥ずかしいだろうが!」[c]
*05|帰り道
[nameout]
[lack_name]
「でも、繋ぎたかったんでしょ?」[c]
*05|帰り道
[nameout]
[light_name]
「…………………」[c]
*05|帰り道
[nameout]
その言葉には何も返せない。[l][r]
手を繋ぎたいと思ったのも俺で、要求したのも俺なのだから。[c]
*05|帰り道
[lack_name]
「……ありがと。[l][r]
ライトがそうやって思ってくれることってあんまないから、[r] 凄く嬉しいよ」[c]
*05|帰り道
[nameout]
本人もきっと恥ずかしさはあるのだろうが、それよりも俺が手を繋ぎたいと思ってくれたことの方が嬉しいから、気丈に振る舞える。[c]
*05|帰り道
そう言って笑ってるラックが何よりも愛しい。[l][r]
そして羨ましい。[c]
*05|帰り道
嬉しさの方が恥ずかしさに勝っている自信はある。[l][r]
あるのだが、やはり恥ずかしいのだ。[c]
*05|帰り道
そんなにスッパリ割り切れるものではない。[l][r]
少なくとも自分にとっては。[c]
*05|帰り道
[lack_name]
「まぁ、昔手を繋ごうとして叩かれたこともあったけどね~。[l][r]
あの時はショックだったなぁ」[c]
*05|帰り道
[nameout]
[light_name]
「当たり前だ。[l][r]
あんな人が大勢いるところで手なんか繋げるか」[c]
*05|帰り道
[nameout]
お互い笑いながら、昔の話をしてゆっくり帰る。[c]
*05|帰り道
とても幸せな時間だった。[l][r]
俺が挙動不審なことを除いては。[c]
*05|帰り道
[jump storage="06.ks"]
*06|夕飯
[fadeoutbgm time="3000"]
[fadeinbgm storage="0032おでかけ" loop="true"]
[ChangeCase bg="genkan" lfg="rakku楽" rfg="raito照"]
[mes]
[lack_name]
「ただいま~♪」[c]
*06|夕飯
[nameout]
閉まるドアを背に一息。[l][r]
幸せの時でもあり、変に苦しい時でもあった。[c]
*06|夕飯
取り敢えず早く夕飯の支度を済ませてしまおう。[l][r]
しかし、今料理すると手元が狂いそうで怖い。[l][r]
手汗が酷いし、何故か手が震えてるし。[c]
*06|夕飯
[bg bgi=rouka]
[立ち絵 file=rakku通常 lay=1]
[lack_name]
「もう少しゆっくりしてからでいいよ?[l][r]
その手じゃ見てる俺も落ち着かないし」[c]
*06|夕飯
[nameout]
帰って来るなりそそくさと二階に上がり、寝間着に着替え終わったラックが苦笑い気味に気遣ってきた。[c]
*06|夕飯
ずっと手を繋いでいたのだからきっと全てバレているのだろう。[l][r]
が、だからこそ気遣われると気恥ずかしい。[c]
*06|夕飯
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[wt]
おぅと短く返事をして逃げるように洗面所へ向かって手を洗う。[l][r]
ついでに顔も洗って少しでも気分を紛らわせる。[c]
*06|夕飯
自分の手を見ると震えは気にならない程度になっていた。[l][r]
何故か頷き、拳をにぎりしめる。 [c]
*06|夕飯
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[wt]
[lack_name]
「ぉ、もう大丈夫なの?」[c]
*06|夕飯
[nameout]
ソファでテレビを眺めながらゆったりとしているラックが振り返り、声をかけてくる。[c]
*06|夕飯
[light_name]
「早く作らなきゃ今日が終わる」[c]
*06|夕飯
[nameout]
腕まくりし、キッチンに立つとラックも立ち上がって向かいのカウンターに寄りかかって俺の料理する様を鑑賞し始めた。[c]
*06|夕飯
俺がたまに料理をするといつも向かい側から見ていてくれる。[l][r]
見ながらここはこうすると効率が良いとか、この食材は痛みやすいから気をつけた方がいいとか色々なことを教えてくれる。[c]
*06|夕飯
人によってはそれを嫌う人もいるが、俺は知識が沢山身につくので言ってくれる方が助かる。[c]
*06|夕飯
しかし今日が今日だからか、助言は一切しないようだ。[l][r]
ただただ俺の動きを見ているだけ。[c]
*06|夕飯
時々確認するように顔を上げて目を合わせても、笑顔で返すのみ。[l][r]
自力でやってみろ、ということか……。[c]
*06|夕飯
偶に危なっかしいのか、ラックの口から焦ったような声が出るが、それで終わる。[l][r]
どうやらあっちも口を出さないよう必死で抑えているようだ。[c]
*06|夕飯
そうこうしている間に出来た唐揚げは俺としては上出来、ラックから見たら……。[c]
*06|夕飯
伺うように顔を見、ラックが一口頬張る。[l][r]
一回、二回と咀嚼し数秒、ラックが笑って見せた。[c]
*06|夕飯
[lack_name]
「少し小さい気がするけど、それ以外は申し分ないね。[l][r]
美味しいよ」[c]
*06|夕飯
[nameout]
言ってまた俺が作った唐揚げを口にする。[l][r]
本当に美味しそうに食べるものだから逆に疑ってしまう。[l][r]
自分も一つ手に取り、口にしてみる。[c]
*06|夕飯
…………美味いじゃん。[c]
*06|夕飯
自画自賛してから次に本当に安堵する。[l][r]
これで不味かったりしたらきっと落ち込んでいただろう。[l][r]
部屋に引きこもるかもしれない。[c]
*06|夕飯
[backlay]
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[wt]
食べ終わるとラックが率先して洗い物をする。[l][r]
食べさせてもらった方が後片付けをするという暗黙のルールなのだが、今日くらいは気にしなくてもいいんじゃないだろうか。[c]
*06|夕飯
早々に食器を洗い終わって濡れた手を拭きながらラックが戻ってくる。[c]
*06|夕飯
[backlay]
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[wt]
俺の隣にもたれ、一息。[l][r]
何もいわず、お互いテレビをただ眺めていた。[c]
*06|夕飯
他愛もない内容のバラエティ番組。[l][r]
くだらないことでワイワイ騒いでいるのを見るのは嫌いじゃなかった。[c]
*06|夕飯
きっと隣にいる恋人のせいだろう。[l][r]
常に騒がしく、大きな体を目一杯使って楽しいことを表現してくるラックを見ているのはとても楽しい。[c]
*06|夕飯
ただ遠くで見ていたい。[l][r]
巻き込まれたくはない。[l][r]
絶対に。[c]
*06|夕飯
ラックと知り合う事がなかったなら、きっと俺は一生こんな事を思うことはなかったんだろうなと考えると、自分の性格の暗さに苦笑してしまう。[c]
*06|夕飯
会話の無い沈黙は落ち着かない物でもなければ気まずい物でもなく、柔らかな優しい……沈黙というよりも平穏と言った方が正しいのかもしれない。[c]
*06|夕飯
どちらともなく肩を寄せ合い、相手の温もりを微かに感じながら流れる時間がとても愛おしい。 [c]
*06|夕飯
だが、そんな俺の微かな幸せなど、長く続くわけがない。[c]
*06|夕飯
何の脈絡もなくラックは俺に口付け、頭を引き寄せてきた。[l][r]
……何かもう戦闘態勢?[c]
*06|夕飯
顔を朱に染めながら『むぅ』と唸ると、ラックはからかうように笑って頭をワシワシと撫でてくる。[c]
*06|夕飯
普段とは逆の、こういう時にだけ変化する立場。[c]
*06|夕飯
別にそれが不快なわけではなく、身体を任せるとラックは優しく抱き寄せてその大きな身体で包み込んでくれた。[c]
*06|夕飯
[立ち絵 file=raito照]
[light_name]
「ラック……心臓が凄い鳴ってる」[c]
*06|夕飯
[nameout]
[立ち絵 file=rakku楽 lay=1]
[lack_name]
「だってライトが相手だもん」[c]
*06|夕飯
[nameout]
照れた風もなく当たり前のことのように返してきた。[l][r]
何か……逆に俺が恥ずかしい……。[c]
*06|夕飯
でも、自分が傍にいるだけでこんなにも胸を高鳴らせてくれると言う事実は、正直かなり嬉しかった。[c]
*06|夕飯
言葉を連ねるのではなく、身体に現れて表現するというのは自分にとってこれほどまでに誇らしい事なようだ。[c]
*06|夕飯
静かに、じわじわと胸が満たされていく。[c]
*06|夕飯
この瞬間が何よりも好きなんだが……この後はきっと……。[c]
*06|夕飯
[lack_name]
「ライト~」[c]
*06|夕飯
[nameout]
言うぞ。[l]絶対言うぞ。[l]ほら、言うぞ。[c]
*06|夕飯
[lack_name]
「しよ?」[c]
*06|夕飯
[nameout]
やっぱり言ったか……。[c]
*06|夕飯
[light_name]
「早くないか?[l] まだ十時……」[c]
*06|夕飯
[nameout]
[lack_name]
「そうこうしてるうちに今日が終わっちゃうでしょうが」[c]
*06|夕飯
[nameout]
[立ち絵 file=raito呆]
[light_name]
「お前、前に『寝て起きたら次の日』とか騒いでなかったか?」[c]
*06|夕飯
[nameout]
[lack_name]
「夢でも見たんじゃない?」[c]
*06|夕飯
[nameout]
敢えて夢で否定しますか。[l][r]
初めてした時に言った言葉なのだから忘れるはずがない。[l][r]
そして断じて夢でもない。[c]
*06|夕飯
考えている間にラックは俺を担ぎ上げて二階へと登っていく。[c]
*06|夕飯
……もう少し、あの空気を味わっていたかったなぁ。[c]
*06|夕飯
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*07|二人の夜
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[mes]
俺の希望なんて脇に追いやられ、俺をベッドに下ろすとそのまま押し倒してきた。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「かなり積極的だな」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[lack_name]
「今日は好きな事出来るからね、張り切ってるの」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
張り切っているのはその最高潮に飢えた眼を見れば訊くまでもない。[l][r]
流れに任せるのが今回は一番ラックが喜ぶだろう。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「じゃあ、お好きなように」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[立ち絵 file=rakku喜 lay=1]
[lack_name]
「へへ~、言われなくても♪」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
自分より先にまず俺の服を脱がしにかかる。[l][r]
[立ち絵 file=raito裸困]
着ていたジャージとタンクトップは脇に投げられ、暑さで若干汗ばんだ身体が外気に触れる。[c]
*07|二人の夜
汗臭くないかが心配だが、ラックに訊いたところで『ライトの匂いだもん。汗臭くても好きだよ』って返ってくるのが九割。[c]
*07|二人の夜
そんな言葉を返された日には恥ずかしさで熱が出るかもしれない。[c]
*07|二人の夜
ラックは俺の首筋に鼻を押し付け、しきりに匂いを嗅いでくる。[l][r]
微かに吸われる感覚、吹きかけられる感触がくすぐったい。[l][r]
というかやっぱ恥ずかしい……。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「……汗臭かったか?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[立ち絵 file=rakku通常 lay=1]
[lack_name]
「ぇ?[l] ライトの匂いだもん。[l][r]
汗臭くても好きだよ?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
終わった。やはり訊かなきゃ良かった……。[l][r]
もう顔も見れない。 [c]
*07|二人の夜
そんな俺の反応を楽しんでいるのか、無理矢理視線を合わせようと顔を近づけてくる。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「好きにしていいんでしょ?[l] ほら、こっち向いてよ」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
渋々ラックの方に顔を向けたら有無を言わさず唇に噛みついてきた。[c]
*07|二人の夜
ラックの舌が口内に入り込み、色々な部分を強く舐めて刺激する。[c]
*07|二人の夜
たまらず強く息を吐いて喘ぐが、ラックはその行為を辞める気配はない。[c]
*07|二人の夜
引き剥がそうと肩を掴んだ手は、簡単に止められ、ラックの大きな手に拘束される。[c]
*07|二人の夜
大量の呼気に対して一向に稼ぐことの出来ない吸気。[l][r]
酸欠状態に陥るのに差して時間はかからなかった。[c]
*07|二人の夜
意識が朦朧とし始めた頃、やっとラックが俺を解放する。[l][r]
解放された瞬間、身体は不足した酸素を求め、大きな呼吸を繰り返す。[c]
*07|二人の夜
……頭がビリビリする。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「興奮したでしょ?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
死にかけた事実を知ってか知らずか、そう言い放つラックに拳を振るおうとしたが、それより先にラックが俺の股間を掴んだ。[c]
*07|二人の夜
[立ち絵 file=rakku楽 lay=1]
[lack_name]
「苦しいはずなのに、何でこんなんなってるんだろうね~?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
ラックが手にしているものには既に血が通っており、硬くなっていた。[c]
*07|二人の夜
何故身体がこんな反応を示すのか、当の本人ですら理解できない。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「ライト……自分が実はマゾっ気あるの知らなかった?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
いや、俺にそんな属性があるわけ……無いと、思う。[c]
*07|二人の夜
でも実際に俺のモノは勃っている訳で……。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「……マジで?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[lack_name]
「マジで~」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
さも嬉しそうに歯を見せてニシシと笑う。[l][r]
笑いながら、手は俺の亀頭を撫で回しているらへん、ラックの変態さ加減が垣間見える。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「んっ……」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
声を漏らすと、それが嬉しかったのか、キスをして口内をも占領してくる。[c]
*07|二人の夜
脇から漏れ出てしまう喘ぎ声が、ラックの行動に拍車をかけ舌や手の動きが乱暴に、激しくなっていった。[c]
*07|二人の夜
上からはお互いの唾液が絡み合う音が、下からは俺の先走りがクチャクチャと粘性のある音を響かせる。[c]
*07|二人の夜
[立ち絵 file=rakku通常 lay=1]
[lack_name]
「相変わらず反応いいね……先走りがスゴいよ」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
キスと、亀頭を撫でられただけなのに俺のモノからは多量の先走りが溢れ出てきていた。[c]
*07|二人の夜
ラックの激しい動きの所為か先走りが泡立って、亀頭全体が精液を出したかのように白くなる。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「……っ、ラック」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
襲い来る快感を堪えて必死でラックの肩を掴んで、抑える。[c]
*07|二人の夜
首を傾げるラック。[l][r]
……言いだすのさえ恥ずかしいが、やはり言わなければ……。[c]
*07|二人の夜
[立ち絵 file=raito裸照]
[light_name]
「……そろそろ、ラックも……その、脱げよ」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
目を合わせるのも躊躇われる自らの言葉に寿命を削ったんじゃないかと思われるほどの勇気を振り絞った。[c]
*07|二人の夜
[立ち絵 file=rakku楽 lay=1]
[lack_name]
「そう言ってくれるのずっと待ってました」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
やはり満面の笑みで何の恥ずかしげもなく言い放つ。[l][r]
あの神経がこれほどまでに羨ましく、そして憎らしく思ったことはない。 [c]
*07|二人の夜
せかせかと自分で脱ぎ始めるラック。[l][r]
[立ち絵 file=rakku裸通常 lay=1]
俺が脱がそうと思っていたのだが、自分で脱ぐのなら見ていようと思う。[c]
*07|二人の夜
あっという間に服を脱ぎ終えると、大抵の熊獣人がそうであるように出っ張った腹が眼についた。[c]
*07|二人の夜
別に腹フェチだったりもしないのだが、ラックと付き合ってからすぐ、その腹に魅力を感じるようになった。[c]
*07|二人の夜
触り心地とか、よく解らない包容力とかが何故だか癖になっていた。[c]
*07|二人の夜
でも……他の奴の出っ張った腹を見てもムサいとしか感じない。[l][r]
……恋人だから魅力を感じるのだろうか。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「ふぁっ![l] な、何?[l] 急に?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
どうやら俺が不意に腹を摘んだ事にビックリしたらしい。[l][r]
ラックらしくない反応が返ってきて何か面白い。[c]
*07|二人の夜
[立ち絵 file=raito裸通常]
[light_name]
「単に触ってみただけだが、いけなかったか?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[lack_name]
「…… ライトからそういう事するのって珍しいからちょっとビックリした」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
偶には……な。[l][r]
そう思ってくると開き直ったかの様に枷が外れていく。[c]
*07|二人の夜
ラックの真似をしてニヤリと笑ってみせると俺はラックの後ろに回り込んで、むき出しの腹を両手で触り始めた。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「ちょっ![l] ら……っ![l] どうしたの?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
ラックが戸惑っているのが、声と強張った身体から感じ取れる。[c]
*07|二人の夜
何も返さず、そのまま揉み扱いていると所々で身体がビクンと跳ねる。[l][r]
気になってもう一度同じ所を揉んでみた。[c]
*07|二人の夜
やはり跳ねる。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「……感じてる?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
問うと唸りながら、顔を真っ赤にするラック。[c]
*07|二人の夜
……ラックでも恥ずかしいことってあるのか。[c]
*07|二人の夜
楽しくなって更に続けると、ラックの口から嬌声が漏れる。[l][r]
下腹部を見れば、やはり膨らんでいる。[c]
*07|二人の夜
そんなに気持ちいいものなのだろうか……今度は胸に手を伸ばしてみた。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「ひゃ……っ!」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
試しにやってみただけなのだが、やはり感じるようだ。[l][r]
顔を見れば歯を食いしばり、眼を強く瞑って必死に快感に堪えている。[c]
*07|二人の夜
[一枚絵 image=4a]
可愛いなぁなどと考えつつ、自分の興奮を誤魔化すために片手で胸を弄りつつラックの股間に手を伸ばした。[c]
*07|二人の夜
まだ脱いでいないズボンの隙間に手を滑り込ませた瞬間、またラックが大きく跳ねる。[l][r]
そっと触れるだけでラックは小さく声を上げる。[c]
*07|二人の夜
……自分自身、こんな大胆な事が出来るとは思わなかった。[c]
*07|二人の夜
皮は剥かず、優しくなぞっているとラックは身をよじらせる。[l][r]
焦らされているのに我慢できないのか、眼は物欲しそうにこちらを見つめ続けていた。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「……どうした?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
気持ちは解っていても、訊かずにはいられなかった。[c]
*07|二人の夜
その問いにラックの目が泳ぐ。[l][r]
普段は立場が逆だから、少し戸惑っているのかもしれない。[c]
*07|二人の夜
ラックはいつもこんな気持ちで俺を焦らしていたのだろうか、何となく……焦らす気持ちが解ったかもしれない。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「らい……と……」 [c]
*07|二人の夜
[nameout]
目を潤ませ、息を荒げて請うような眼で見てくる。[l][r]
それでも笑って見せるだけで俺は無言で催促する。[l][r]
次の言葉を。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「もっと……って」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[light_name]
「よく聞こえないな」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
はじめはラックの真似をしているつもりだったが、いつしかそれが自分の本音、本性で動いていることに気づく。[c]
*07|二人の夜
焦らし、弄り、快楽に従順になっていくラックを見ていたくなる。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「強く、握……って」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[一枚絵 image=4b]
言われてすぐ、ラックの逸物を強く掴む。[c]
*07|二人の夜
小さかった声がより一層大きくなり、それをこらえるようにラックは強く目をつむって我慢しようとする。[c]
*07|二人の夜
その努力もむなしく、ライトがその手を上下に動かすだけでラックの口から自然と嬌声が漏れ、身体は小刻みに脈打っていた。[c]
*07|二人の夜
片方の手で逸物をつかみ、もう片方の手で腹を、胸をまさぐる。[l][r]
それだけでラックがこの上なく感じている事実に胸を満たされるような感覚に陥っていた。[c]
*07|二人の夜
自分の手で相手を満たしているという幸福と、ラックを自ら掌握しているような支配感が同時に襲ってくる。[c]
*07|二人の夜
それがこの上ない興奮に、快楽へと変化していく。[c]
*07|二人の夜
ラックのをいじっているのに自分の逸物をいじっているような……下腹部ではすでに先走りが異常なまでに溢れ出しており、逸物はビクビクと震えている。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「……気持ちいいか?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
興奮で呼吸が速くなっている俺に対し、息も絶え絶えなラックは何か言葉を紡ごうとするが、呼吸が荒いが故に言葉としての形を成さない。[c]
*07|二人の夜
何が言いたいのかを理解していても、決してそれを手助けしない。[l][r]
寧ろラックの耳を甘噛みし、さらに拍車をかける始末。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「可愛いなぁ……」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
興奮し自然と言葉が漏れてしまう。[c]
*07|二人の夜
気づけばラックを扱いている手のスピードが上がって行っていた。[l][r]
それに比例してラックの絶頂も近づいていく。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「ライ……もぅ、出るっ!」[c]
*07|二人の夜
[一枚絵 image=4c]
[lack_name]
「あぁっ!!!」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
矢先、ラックの逸物から白い液体が糸を引きながらラックの腹に降りかかって行った。[c]
*07|二人の夜
何度も跳ねてはその分どんどん吐き出していくその様にラックは息苦しさと疲労感を感じ、さらに気持ちが高揚していく。[c]
*07|二人の夜
この気持ちのまま勢いに身を任せ、押し倒した。[l][r]
今の状態じゃないときっと恥ずかしくてこんな大胆なこと出来ないだろう。[c]
*07|二人の夜
……自分のことながら情けないことだ。[c]
*07|二人の夜
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[wt]
[backlay]
[lack_name]
「へへっ……今日のライt―――」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
すかさず唇をふさいでラックの声を奪う。[l][r]
このタイミングでからかわれたらそれこそラックのペースに持ってかれてしまう。[c]
*07|二人の夜
そういや始めはラックの好きなようにさせるって言ってたのになぁ……。[c]
*07|二人の夜
それでも、ここまで来たならやはり俺がリードしたい。[c]
*07|二人の夜
こんな機会、きっと十回に一度くらいしかない。[l][r]
むしろ、もっと少ない確率かもしれないのがとても切ない。[c]
*07|二人の夜
とりあえず、今しかないのは確かだ。[c]
*07|二人の夜
ラックの誕生日なのに悪いが、ラックだって満更じゃないだろう。[l][r]
今は……今だけはこの状況に甘えたい。[c]
*07|二人の夜
キスはそのままにラックの口内を犯していく。[c]
*07|二人の夜
舌にからみつかせ、さらに奥へ奥へと潜り込ませんばかりの勢いで貪りつく。[c]
*07|二人の夜
ラックの息が荒くなるのが、言葉の通り身体で解る。[c]
*07|二人の夜
自分の身体の中に、ラックの息が入ってくる……。[c]
*07|二人の夜
まるで何かの媚薬のようにラックのそれが興奮を誘った。[c]
*07|二人の夜
まだ足りない―― 興奮を求めるように口づけを繰り返し、その一方でラックの精液を掬い、後ろの口へと塗りつける。[c]
*07|二人の夜
周りをしっかりと濡らしてからゆっくり人差し指を中へと挿れていく。[c]
*07|二人の夜
興奮のためか、意外にスムーズにそれを飲み込んでいく中で動かすと少し苦しそうにラックが眉を歪めた。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「痛かったか……?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[lack_name]
「ん…… ちょっと、きつかっただけ、かな」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
口づけをやめて心配そうに顔を覗く俺を気遣ってか、ラックは満面の笑みで返して見せてくれる。[c]
*07|二人の夜
こんな時でもラックは俺の事だけを考える。気遣ってくれる。[l][r]
急激に込み上げてきた愛しさを伝えるようにまたキスをする。[c]
*07|二人の夜
深く、長く――― [c]
*07|二人の夜
挿れていた指の締め付けが徐々に柔らかくなっていく。[c]
*07|二人の夜
指一本などすぐに受け入れ、奥まで到達して、ラックの内部を刺激していたようで、口と口の隙間から唾液と嬌声が漏れ出てくる。[c]
*07|二人の夜
この感じからすると、きっと痛みではないものが原因だと思う。[c]
*07|二人の夜
試しに本数を増やしてみるが、やはりすんなりと飲み込んでいった。[c]
*07|二人の夜
こうやってリードすることが少ない俺としては、すんなり入ってくれると非常に助かる。[c]
*07|二人の夜
変に痛がったりするときっとテンパってしまう。[l][r]
それこそ心が折れてしまいそうになってしまいそうで怖い。[c]
*07|二人の夜
三本入ったころ、ゆっくりと中で慎重に動かすだけでラックが快感からこらえるように必死に俺にしがみついてキスをねだってくる。[c]
*07|二人の夜
ここまで来ると焦らしたり、意地悪するつもりは毛頭なく、相手の求めるままに抱きしめ、キスをしてやる。[c]
*07|二人の夜
こんな必死なラックが可愛いと思っている自分が馬鹿らしく思えるが、愛しいのだから仕方ない。[c]
*07|二人の夜
バカップルでも構わない。[c]
*07|二人の夜
ベタ惚れでも構わない。[c]
*07|二人の夜
好きだというただそれだけの気持ちがそこにあるだけなのだから。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「ラック…………」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[lack_name]
「んぅ……な、に?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
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「愛してる」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
返答を待つことさえせずに指を引き抜き、自分のものをあてがう。[c]
*07|二人の夜
[light_name]
「……挿れるぞ」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[lack_name]
「う、ん……らいと?」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
[light_name]
「やっぱ、まだやめた方がいいか?」[c]
*07|二人の夜
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首を振り、ラックが息も絶え絶えに眼の端に涙を溜めて……また笑う。[c]
*07|二人の夜
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*07|二人の夜
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それが合図となってラック自ら身体を器用に動かして俺のものを飲み込んでいった。[c]
*07|二人の夜
三本をすんなり飲み込んだとはいえ、未だに締め付けは強いようで、強い快感と若干の痛みが襲ってくる。[c]
*07|二人の夜
…………気を緩めるとこの時点でイってしまうかもしれない。[c]
*07|二人の夜
何とか我慢して、今度は俺が動いてゆっくりと進めていく。[c]
*07|二人の夜
あえぎ声をあげながら、ラックもそれを受け入れていく。[c]
*07|二人の夜
どうやらもう痛みはないようで、その証拠にラックの逸物はいきり立っていて先からはとめどなく先走りが出始めていた。[c]
*07|二人の夜
こうなればもう安心して動ける。[l][r]
目一杯の安堵を胸に秘めつつ、動こうとすると[c]
*07|二人の夜
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[lack_name]
「ライト、今安心したでしょ?」[c]
*07|二人の夜
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なぜバレる![c]
*07|二人の夜
俺が驚いてるのを見て自分の考えが的中したのが解ったのだろう。[l][r]
最中だというのにいつものニヤけ顔が浮かび上がってきた。[c]
*07|二人の夜
ヤバい![c]
*07|二人の夜
これはヤバい![c]
*07|二人の夜
ペースに持ってかれる前に動いて誤魔化そうとしたが、すでに手遅れ……。[c]
*07|二人の夜
起き上ったラックが仕返しのように俺に口づけ逆に押し倒す。[c]
*07|二人の夜
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[lack_name]
「やっぱ、この景色がしっくり来るかなぁ」[c]
*07|二人の夜
[nameout]
厭らしい笑みを浮かべて、首筋に顔を埋めて舐めたり、甘噛みしたりする。[c]
*07|二人の夜
さっきまでの前戯で敏感になっていた体はそれらの刺激に異常なまでに反応し、俺の口から声が漏れてしまう。[c]
*07|二人の夜
[lack_name]
「聞き慣れた声。[l][r]
息遣い……ん~……こういうのも好きだけど」[c]
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